映画– category –
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『ただ悪より救いたまえ』――「007より面白い」という贅沢
奮発して泊まった高級ホテルの創作ビストロより、翌日に通りすがりで入った町中華のチンジャオロース丼のほうが、ぶっちゃけ胃が満足した――ということが(筆者は)ま... -
「人生のエキストラ」で終わってもいいのか? 園子温監督作『エッシャー通りの赤いポスト』
オランダ生まれの画家・版画家のマウリッツ・エッシャーは、多くの「騙し絵」を残した。階段を昇っているつもりが、いつの間にか階段を降りており、そして再び昇って... -
元[Alexandros]庄村聡泰、『ヴェノム』の続編をネタバレなしで語る事を断念
※本原稿は映画の内容に関するネタバレを含みます! 映画好きの方もそうでない方もテレビやらウェブやらのあらゆる媒体、広告で目にするのはそう、来る2022年1月7日に公... -
倉科カナに止まないほどの拍手喝采 シアタークリエ『ガラスの動物園』で名演絶賛
アメリカの代表的劇作家、テネシー・ウィリアムズの出世作『ガラスの動物園』が東京・有楽町のシアタークリエで上演されている。 同作は1944年12月、シカゴの初演で... -
異郷での生活はこの世の楽園か地獄の入り口か? “困窮邦人“を追った『なれのはて』
観る人によっては、この世の楽園のように感じられる。だが、別の人が観れば、そこは底の割れた地獄の一丁目のようにも感じられる。粂田剛(くめた・つよし)監督が撮... -
「正義の代償」を描く実話映画『ダーク・ウォーターズ』が他人事ではない理由
12月17日より映画『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』が公開されている。 本作で描かれるのは「実話」だ。2016年1月にニューヨーク・タイムズ紙に掲載され... -
ビートたけしがリスペクトし続けた伝説の芸人伝 『浅草キッド』が描く「お笑いゼロ世代」
「有名になることでは師匠に勝てたものの、最後まで芸人としては超えられなかった」 お笑い界のみならず、テレビ、ラジオ、映画界に革命を起こしたビートたけしが、自... -
ホラー版『魔女の宅急便』でもあった『ラストナイト・イン・ソーホー』の魅力
12月10日より映画『ラストナイト・イン・ソーホー』が公開されている。 本作の監督・脚本を務めたのはエドガー・ライト。『ショーン・オブ・ザ・デッド』(04)や... -
伝説の“美少年”を追った残酷なドキュメンタリー『世界で一番美しい少年』に見るアイドルの苦悩
アイドル(idol)とは「偶像」のことであり、日本では今も昔も、お気に入りのアイドルを崇拝する人たちが多い。アイドルを崇めている間は、世知辛い現実世界のことを... -
今年はミュージカル映画年!『ディア・エヴァン・ハンセン』『リスペクト』アカデミー賞候補ズラリ
新型コロナによって閉鎖を余儀なくされたニューヨーク・ブロードウェイが2021年9月、約1年ぶりに再開した。2020年の公演が中止になっていた『雨に唄えば』の日本公演... -
映画『彼女が好きなものは』「創作物」と「現実」の両面から同性愛を説いた理由
2021年12月3日より、『彼女が好きなものは』が公開されている。本作は実写ドラマ化もされた、浅原ナオトによる小説の映画版だ。 結論から申し上げよう。本作は「ここ... -
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』とソニー・ピクチャーズが実現させた“20年越し”の夢
スパイダーマンの人気キャラクター・ヴェノムの単独映画化第2作『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』が、2021年12月3日よりついに公開される。 冒頭からフ... -
ロンドンという街が若者の夢を搾取する恐怖 『ラストナイト・イン・ソーホー』
音楽もファッションもキラキラと輝き、まぶしく感じられた1960年代。若者たちを中心にしたポップカルチャーが花開いた時代だった。タイムトラベルできるのなら、誰し... -
SixTONESの『スパイダーマン』映画主題歌にマーベルファンは戦々恐々? “ネタバレ危機”の大渋滞か
ジャニーズグループ・SixTONESの新曲『Rosy』が、2022年1月7日公開の映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』日本語吹替版の主題歌に決定した。しかし、マーベ... -
溝口健二『祇園の姉妹』戦前から現在にも通ずる女性の悲痛な叫びを描いた一作
皆さんこんばんは、宮下かな子です。 隔週で配信しておりますこの連載、なんと今回で1周年を迎えました!読んでくださいまして本当にありがとうございます。 キネマ... -
男性版モナ・リザが13万円から510億円?映画『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』
絵画(アート)の世界は面白い。そのことを「一時は13万円で落札された絵に510億円の値がつけられる」衝撃の事実から教えてくれるのが、2021年11月26日より公開されて... -
ネット時代の“仁義なき戦い”を描いた野心作! 名簿ビジネスをめぐる和製ノワール『JOINT』
映画は時代を映す鏡だと言われているが、なかでも犯罪映画は現代社会をひときわ鮮明に映し出すジャンルとなっている。暴排条例が全国的に施行された2011年以降、目立... -
乃木坂46生田絵梨花の卒業ソング『最後のTight Hug』MV、“ある映画”をオマージュしてるのか? と話題に
乃木坂46・生田絵梨花の卒業まで残り1カ月半を切り、卒業ソング『最後のTight Hug』が歌番組で披露されることも多くなった。たった1週間足らずで『ベストヒット歌謡祭... -
容赦なき都会サバイバル映画『ずっと独身でいるつもり?』の魅力
2021年11月19日より、おかざき真里のコミック(原作は雨宮まみ)を映画化した『ずっと独身でいるつもり?』が公開されている。 結論から申し上げれば、本作は見てい... -
田中みな実『ずっと独身でいるつもり?』 相手の価値観に合わせて生きることの息苦しさ
写真集『Sincerely yours…』(宝島社)が60万部を超えるベストセラーとなった、元TBSアナウンサーの田中みな実。「美のカリスマ」として、また「あざとかわいさ...